我が国は、急速な少子高齢化によって、かつて経験したことがないような超高齢社会へと変貌を遂げつつあります。そうした中で高齢者をはじめ、あらゆる世代の人々が住み慣れた地域でできる限り住み続けていくことは、多くの人々の願いでもあり、その実現に向けて、誰もが健康で生きがいを持ち、安心して暮らせる地域社会の形成が必要とされています。
このような状況の中、近年、高齢者の都市部への居住指向が強まっているように思われます。都市部の利点は、交通の便や都市機能の充実によって自身の自立した生活を長く維持できるところなど様々にありますが、用地確保のむずかしさへの対応等から、高齢者福祉関連施設と児童関連施設といったような他の施設機能との複合化の事例も見られるようになってきました。
このような複合施設は、地域コミュニティの拠点となる場の創出につながることも期待されているところです。しかし現存する複合施設の多くは単なる機能の集積にとどまり、コミュニティの形成にまで至っていないのが現状ではないでしょうか。
住み続けられるまちづくりとは、心豊かな地域コミュニティの形成であり、また地域に関わるあらゆる世代の人々が、地域既存の多様な人的・物的資源を有効に活用すること、自助・共助の生活と社会関係を取り戻すことのできる仕組みと場をつくることでもあります。
本シンポジウムはこれらの背景の中で、これからの地域づくりとはどうあるべきか、またその拠点となる世代間交流の場はどうあるべきかを考察し、地域の再構築・生活環境向上を目指している自治体や民間企業、更には地域住民の方々に対して情報を発信する場として開催するものです。 |